全9巻。書き上げるまでに37年間を費やし、71歳で著者が書き終えた大作。
松坂熊吾、大将とよく呼ばれる一人の男が、50歳にして一人息子をもうけ、その息子が20歳を迎えるまで死ねないと自分に誓い、71歳にその幕を閉じた物語。
大きな物語を読み終えた気持ちで胸があふれる読後感がある。
この本を読み始めたきっかけは、コーチングの先生から視野を広げるためには読書が良い、という一言があったからだ。
読むとしたら何が良いか、小説だろうと思った。
小説には登場人物のさまざまな機微や考え方が描かれている。しかし小説を読まなくなり久しかったので、何か一つ腰をすえて読みたいと思いながら書店を歩いていたら、この本が目に入ってきた。
読むとしたら何が良いか、小説だろうと思った。
小説には登場人物のさまざまな機微や考え方が描かれている。しかし小説を読まなくなり久しかったので、何か一つ腰をすえて読みたいと思いながら書店を歩いていたら、この本が目に入ってきた。
読み初めの頃は、熊吾が房江に暴力をふるうシーンがよく登場し、なんと傍若無人な男なのだろう。妻に暴力を振るうなんて最低な男だ、というのが僕にとって熊吾への最初の印象だった。だからしばらくは熊吾のことを魅力的に思えず、むしろ読み続けるのが若干苦痛だった。
しかし、気づけば熊吾の人間的な魅力が徐々に分かるようになっていき、いつの間にか松坂家の歴史の虜になっていた。
しかし、気づけば熊吾の人間的な魅力が徐々に分かるようになっていき、いつの間にか松坂家の歴史の虜になっていた。
その歴史きについて、あれこれ拾っていくと大変な文量になりそうなので、それは機会があるときに譲るとして、いま感じるているのは言葉の力だ。
熊吾の言葉には人を動かす力がある。
自分の経験と思想、そして道徳心から出てくる言葉は、どれも偽りがない。
それによって助けられる人は大勢いて、その行動力も相まって、大将と呼ばれるのだと、何度も読者は目の当たりにする。
それによって助けられる人は大勢いて、その行動力も相まって、大将と呼ばれるのだと、何度も読者は目の当たりにする。
この言葉の力というのが侮れない。
自分の考えを人に伝えるためには言葉が必要だ。そして子供の記憶に残っているのもまた親の言葉が大きく占める。
自分の考えを人に伝えるためには言葉が必要だ。そして子供の記憶に残っているのもまた親の言葉が大きく占める。
妻のお腹の中にいる頃から読み始め、4ヶ月を迎える頃にこのシリーズを読み終えた。
自分の子供に僕は何を教えたいだろうか。そして何を遺せるだろうか。
そして自分の宿命というものは一体なんであろうか。
自分の子供に僕は何を教えたいだろうか。そして何を遺せるだろうか。
そして自分の宿命というものは一体なんであろうか。
自分の子供が出来た際に出会ったこの本というのも、何かの縁なのだろう。
そう思わずにはいられない。