前回ヨーロッパの旅でその魅力に触れ、その翌年も縁がありヨーロッパはクロアチアに行くことが出来た。
クロアチアは中世の雰囲気をそのままとした城壁都市や美しい国立公園を有し、目の前に広がるアドレア海が観光国としての人気が日本からも注目されていた。
アドレア海といえば某スタジオジブリ作品に出てくる飛ぶ豚を連想する。果たして赤い豚に会う事ができだろうか。
そうだ、きっと生ハムがうまいに違いない。
そんな期待に胸を躍らせつつ、今回の旅は過去初の、国内線&長距離バスを使用してクロアチアの各地を回る自作プランを組み立てたので、どきどきしながら手配。
国内線はあちらのスタッフとメールをやり取りして準備をし、長距離バスは時刻表が探しきれなかったので、まあなんとかなるだろうということで当日聞いて行動することにして、出発を控えることにした。
前回は男二人のヨーロッパ旅だったけど、今回の相方は当時付き合っていた彼女(現・妻)と二人で行く初めての海外旅行だ。
(男二人ならば現地調達でなんとかなるが、女性と二人の場合はある程度下調べや備えをしておいた方が相手も安心できるだろう、という楽しみと少しの緊張とが入り混じった気持ちだったなぁ、といま振り返って思い出す。しみじみ..。)
ということで、美しさと癒しとハプニングが入れ混ざるクロアチア旅行記を、前回と同じように当時のメモを頼りにDay1からDay8までの流れをお届け。
ちなみにクロアチアへのフライトは、行きは以下のようにウィーンを経由するので、ウィーンで立ち寄りたいところも確認済み、だ。
成田 → ウィーン(1泊) → ドブロブニク
ということで、早速Day1からどうぞ!
Day 1
〜旅の始まりから既にクライマックス〜
5:30
毎度のことながら長期休暇の前まで本当に休めるのかという不安が拭えず、現実感の薄い朝を迎える。
残る支度をして、成田行きのバスへ。
台風が近づいているようだけど、運行状況を確認したところ、定刻通りのようだ。Good!
バスの乗車が前回はかなりギリギリになってしまったけど、今回は丁度な時間。良い感じである。
8:45
成田に到着。
海外用のwifiルーターを借りて、朝食を食べてゆっくりするかー、とか思いながら、掲示板から運行状況を再度見ておく事に。
ん?一箇所だけ赤文字になってる?
他の便は飛ぶのにこれだけ飛ばないなんて、狙い撃ちもいいところじゃ…….. えっ?
眼をパチクリして見返しても、その便は搭乗を予定しているオーストリア航空に変わりなかった。
ちょっと何書いてあるかわからない。
そして日本語でトドメをさしてくる掲示板。
OK緊急事態だ。
フライトがキャンセルされた場合はどうすれば良いんだ。
そのケースは想定外で、欠航の場合のバックアッププランはないぞ。
チケット買った代理店に確認しようとするも時間外だから連絡つかないし、とりあえず今から出るウィーン行きを調べてみると、ミュンヘンやらパリ経由で行くのがあるみたい。
んー、どうしよう、それもダメならせっかくの長期休暇だしいっそ国内旅行にしようかな沖縄がいいかなー。
あ、こうした場合チケット代ってどうなるんだろう。規約を読んでみよう。
天災の場合……ふむふむ代理店側のキャンセルになれば返金があるのか、ってかいま代理店休んでるじゃん。
まあそうした事は後から考えるとして、やっぱ沖縄もいいけどまだ行ってないところがいいよなぁ。
と対応やら妄想やらを膨らましつつ、とりあえずカウンターに並ぶ事にした。
カウンターに並ぶ先頭の様子を窺っていると、どうやら振り替えを手配している様な動きを職員がしている。
おお、これは期待できるのか!?
9:45
相方のハゲトークを聞きながら、ただただ談笑している我々2人組。(いま思えば、こういう時の切り替えが早い…)
なんとかなるだろうと楽観的に思いつつ、相方は相方で、またパリに行ける!とか言ってる。パリには行かねえ!
そして待つこと45分程度で、番が回って来た。
とにかく早く来ておいて良かった。後ろの行列が凄まじい。
職員のお姉様に相談すると、ミュンヘン経由のウィーン行きがある模様。
ただ、乗り換えが1時間ほどしか余裕がないみたい。
ウィーンへ行ければなんでもいいです。
荷物はウィーンでピックアップする旨を伝えて、手配を進めるお姉様。
席とれそうですかね? と聞く俺に対して、お姉様「ご安心下さい!」
うおー!おねーさーん!!なんと頼もしい一言。そして相手に不安を与えないプロの仕事。見習おう。
ウィーンまで行ければどうにかなるだろうと安堵しつつ、同じく振り替えしてもらった紳士の雰囲気を醸し出すおじさま2人とハーフでかわいい女の子と、荷物を預けるのを待機する。
ちなみにカウンターにはこんな貼り紙。
振り替えは電話センターに電話してやるそうだ。かなり手作業でバタバタしている模様。
席のダブルブッキングとか起こらないのだろうか。
この混雑で電話が繋がらないようでちょっとハラハラしたけど、無事に席を確保。
ちなみにチケットはミュンヘン行きまでは発券されたものの、ミュンヘンからウィーンへは手書きのペラペラの紙をもらい、それを現地で見せて対応するみたい。
おおお、こんな紙で大丈夫なのか、、 ミュンヘンの1時間で諸々の対応はこなせるだろうか…?
まぁとにかくヨーロッパまでは飛べる様になったので、一安心。
このバタバタだと荷物も心配になるけど、とにかく行かない事には分からない!
13:00
振り替えのバタバタがずっと続き、12:40発の飛行機が遅れて13時出発に。
振り替え客の諸々確認に手間取っているようで、搭乗口で待たされていた。欠航が発生するとお祭り騒ぎだな…
出発が遅れる=到着が遅れる=乗り換えピンチ!の図式でハラハラしていたが、とりあえず飛び立ったのでちょい安心。
ちなみにミュンヘン行きのルフトハンザ航空。
機内は綺麗でテレビもタッチパネル。何よりトイレが1つ下の階に専用フロアで複数用意されているのが素晴らしかった。
18:00
ミュンヘン到着。
ヤバい。18:35分発のウィーン行きに乗るのギリギリ! 黄色信号が脳内で点灯している。
機内から出るとウィーン行きのパネルを持った職員が待機しており、なんとエスコートしてくれる。これは助かる!
一安心と思いその行進についていくと、荷物チェックのところに差しかかる。
先ほど成田空港で見かけた紳士が丁度前にいて、何やら職員のおばちゃんともめてる。
どうやら成田で出た紙の振り替えチケットが正式なチケットじゃないからNGだとのこと。後ろにいた男性職員もまさかの同じ対応。
うそん!?
脳内黄色信号が赤色信号に変わる…まずい…
他のカウンターにいるおばちゃんに駆け寄って経緯を伝えるが、あっけなく同じ対応をされる。さっきのエスコートしてくれた職員は荷物チェックパスのため職員ドアにて先のエリアへすでに行っていて、こちらの状況を知らない。
何なのこのトラップ。上げて落とされるのなんで?
おばちゃんが、「チケットカウンターで正式なチケット持ってこい」と非情な事を言ってくるがここで問答し時間をロスするよりさっさと発券してもらおうと思い急ぎカウンターへ。
カウンターの男性に急いで発券するよう言うものの、一言、「too late」
too lateじゃねーよ!飛行機もう出ちゃったとか言ってくるなよ!
ミュンヘンどうなってんの。欠航に伴う振り替えとその遅延だつってもみんな通常の対応しかしてくれないし、そういう情報シェアされないの?ロボットなの?
脳内カラータイマーがピコンピコンと鳴り出した。
時は既に18:40分。他の振り替え客のことを考えるとまだ飛行機は飛んでないはず。
さていよいよどうするものか、と思ったところで、先ほどの紳士がいた受付カウンターの他のお姉さんが、何やら電話をし始めているのを発見。
あのお姉さんは仕事が出来るお姉さんに違いない。
その光明を見て、説明する時間すら惜しいためカウンターに戻り、あそこのケースと同じだと伝えると、やっと職員同士で連携をしてくれて、ゲートを通れる様になった。
あの救いの手を差し伸べてくれた黒髪ラテン系美人なお姉さんがとても印象的だった。
19:00
搭乗口にダッシュで移動。
思いのほか遠かったけれど、なんとか間に合う。
というか、搭乗手続きは振替客の到着を待っていたのか、まだ始まっていなかった。一安心。
そうであれば、ますます情報共有の仕方に疑問を抱くものの、疑問を抱いたところで不測の事態には混乱がつきものだから、対応の柔軟性って大事、とか勝手に頷いてゲートを通過する。
19:20
ミュンヘン空港を離陸。
20:10
ウィーンに到着。
なんとかウィーンに着いた!ここまで長かった….!
さすが音楽都市、空港には壁一面が楽譜になっている。おしゃれ。
後は荷物を待つだけ。
……なのだが、いつまで経っても荷物は出てこない。
あれ?まさかの悪い予感的中?
成田で一緒であった紳士と女の子はどうやら荷物のピックアップが出来たようだ。つまり….
いやー、ハプニングって続くんだね!まるでドミノ倒し!
さて、荷物が出てこなかったらどうするんだっけ、ということでLOST&FOUNDカウンターに彷徨い込む。
職員に事を告げて、一枚の用紙に氏名、住所、連絡先を記入。
荷物の外見やブランド名を伝える必要がある。
相方は賢く写真をとっていたのでスムーズなのだが、そんなTipがあったのか!と感心しつつ、写真も手元にないので黒いバックパックとだけ告げる。
ほんとに出てくるのだろうか、、
いつ出てくるか分からないので、ウィーンでのホテルと、次にいくドブロブニクのホテルを念のため告げておく。
荷物が見つかったら連絡してくれるとのことだけれど、クロアチアで連絡もらってウィーンにあると言われても困る。
なのでウィーンで一泊したらもうクロアチアのドブロブニクに行く旅程だから!そこらへんよろしく!
と言っても釈然としない。
ドブロブニクまで届けてくれるよね?と聞くも、一言、「I don’t know」
いやそこは手配してくれよ!
無性に不安になりながらも、ドブロブニクいくから!ホテルここだから!と念押しして空港を後にする。オーストリア航空、やってくれるぜ….
22:00
空港近くのホテルにチェックイン。ウィーンで寄ってみたいところあったのだけど、全ての予定が狂ってそんな時間もなし。
なんだかどっと疲れたけどハプニング続きで何故かナチュラルハイな2人。
最悪荷物なくても、パスポートも現金カードもあるし、カメラもあるし、衣類は現地調達でなんとかなるべ!とか相方と会議して旅程は変更せずに続行することに。
ウィーン滞在伸ばしても出てくるか分からんし。一晩たてば出てくるかも?
さて、荷物は無事出てくるか? ドキドキの朝を迎える Day2 に続く。