初めての海外旅行、それはアフリカ大陸だった。
今まで海外旅行なんて行った事がなくパスポートを作ったこともなかった社会人になり数年の頃に、友人の誘いで「アフリカこない?」と声をかけられたのがきっかけだ。
そこから海外旅行に伴う色々な初体験をした。
初めての国際線デビューとしてシンガポールエアラインに登場しワインが出てくることに喜んだり、綺麗な客室乗務員のお願い様に目を奪われ降りる祭に一緒に写真を撮ってもらうくらい浮かれたり、巨大なシンガポール空港で初のトランジット体験をしてドキドキしたり、空港内に様々な人種の人が行き交うのを眺めていたり、Duty Freeのエリアのあの香水の匂いであったり、空港内の植物園で巨大な植物を鑑賞したり、無料のマッサージチェアで身体をほぐしたり、一通り試したら結局そこらへんで眠りながら次の便を待ったり。
一番の衝撃は、2つ目の経由地である南アフリカはヨハネスブルグの空港での事件だ。
目的地へ行くのにさらにもう一つの国内線に乗り換える必要があるのだが、まずは入国審査を通らなければいけない。もうどんなことを聞かれたか忘れたが、入国目的を聞かれたか、あるいは何も聞かれずパスしたか、くらいアッサリしたものだったような気がする。
そして荷物をピックアップして到着ゲートへ向かうのだが、その手前で警備員らしき人に止められ、荷物チェックのエリアへ連行される事に。
この時点で ”え!?なになに!?” というところなのだが、そんなことは関係なくバックパックの中など一通り見せて、すぐに解放、と思ったところ、衝撃の言葉を投げかけられる。
「いくら持ってる?」
“え!?なになに!?” が止まらない。何で金の話が出てくるの?ここ空港だよね公共の管理だよね。
意味がわからないものの、英語でなんか言ってるし、しかもやばいのが銃を持っていてチラ見させてくる。海外で見るリアル銃はやばい。怖さがやばい。至近距離でやばい。
(今考えれば発砲されることなんてない事は分かるのだけど、目の前に銃、というこれまでの人生にない経験が強制的に胸の鼓動を早くさせる。)
所持金を全部見せろという流れになってしまい、財布に入っているいくらかを見せる羽目になる。 (ちなみに財布とは別の方に多めに持っていた所持金は見せない。更にタカられるだろうから!)
で、いくら出せ、みたいな話になったのだけど、一緒にいた海外経験豊富な友人が、英語で相手を捲し立てる。これはおかしい、上司だせ、みたいなことを言って反撃してくれたお陰で、お金を取られる事なく解放された。ファンタスティック….
当時あまり英語ができなかったこともあるのと、まさかの事態すぎて、面食らった。まだ目的地にも到着していないのにこんな事件に遭遇するという、初海外旅行の幸先が良すぎて恐怖を覚えた出来事だった。
これが、アフリカの洗礼、である。
この写真は、その事件現場をあとにして到着ゲートに出たときのものだ。これを見ると必ずそれを思い出す!
いやー、さすがヨハネスブルグ。いまは治安も良くなっているのだろうか。しかしもう経験したくないわー。