迷ったら困難な方を選べ。
この原則を考えると、この主題は適切ではないのかもしれない。
何か難しい仕事が発生した場合、主に以下の選択肢が生じる。
- 自分で対応する
- メンバーに任せる
自分で対応をすることで、あれこれ気づいたことの対応をすることができるし、自分の経験にもなる。一方で対応が完了するまではプレッシャーもかかり、かかりきりにもなり、プライベートの時間が犠牲になることもある。
メンバーに任せることで、メンバーの経験にもなるし、そのことがチーム全体を強くさせる。一方で、自分は一歩下がった距離で接することができるが、会社から直接的な評価もされないし、アワードなどの対象にもならない。
そして違う視点で考えれば、前者はつらくとも私自身の経験にはなるが、メンバーの経験にはならない。
そして後者はメンバー自身の経験になり、何もしない前者よりかは、何らかの評価までつながれば、結果として仕事の張り合い向上になるのではないか。
そう考えると、自分個人で考えるよりも、後者の方が良い、というように考えられる。
自分がプレイヤーとして腕を磨きたいなら自分での対応になる。
しかしどうも、昨年からの流れは、自分はサポーターであり、場の調整者としての役割が合っているのかもしれない。気づく点が他の人よりも多いからだ。
一方で、人に任せると、自分は一歩下がって接することができるので、人より楽ができる、というような思考になり、それは単に楽をしたいからではないか、と自己嫌悪に陥る。
するとメンバーの経験という建前があり、本音は自分が楽をしたいから、になってしまう。
その代償は、経験の欠如だ。
こう考えると、これは難しい。自分の弱い心の葛藤の話でもあり、しかし確かにメンバーの成長と評価のための選択でもある。メンバー当人は、そんなこと望んでないかもしれないけれど、だ。
そして、自分が逃げた、とか、評価されない、とか、人からどう思われるかを気にしている自分にも気づく。
結局はそこを気にしているのではないだろうか。もし人が、「この人はメンバーの成長を重視しているのだな」と言ってくれ、それで感心だったりある意味評価される、ということが多いのなら、もっと積極的に任せるはずだ。
人からどう思われるか、人からどう評価されるか。
そこが気になるのが葛藤の根っこにあるのだろう。
結局のところ、メンバー自身を見ているのではなく、自分のことを見ているのだ。
コーチングの話にこれを置き換えると、クライアントよりもコーチ自身のことを考えている状態だ。
それではクライアント自身の本当の成長ではなく、コーチの欲による歪んだコーチングになってしまう。
まぁ仕事とコーチングは必ずしもイコールになる場面ばかりではないのだけど。
ということで整理しよう。仕事をメンバーに任せるかどうかを考える時に、主に判断の軸は以下3つあった。
- 他人の視点
- 自分の気持ち
- メンバーの成長/評価
1.は無い人もいるだろうが、基本は上記のあたりだろうか。
何を、何のために優先させたいか。
強いチームを作りたい、という気持ちがあるのかな。そのためにメンバーに経験を積ませつつ、フィードバックの得られる機会を増やしたい。価値を感じてほしい。そういう思いがあるのかもしれない。