“アサーションとは、「自分の言いたい事を大切にして表現する」と同時に、「相手が伝えたいことも大切にして理解しようとする」コミュニケーションです。”
著・平木典子
アサーションという言葉。本や会社の研修やセミナーその他、言葉を聞いたことがある人はある程度いるのではないだろうか。
そしてそれを実践できている人はどれ位いるだろう。
少なくとも、自分は出来ている場面もありそうだけど、出来ていないことの方が多いな〜と思う。
「自分の言いたい事を大切にして表現する」という点が恐らくそんなに出来ていない。
というのも、相手の言うことであったり気持ちを優先する場面が多く、特に育児が始まってからは家庭では妻になるべく配慮してコミュニケーションをしていることもあって、それがより顕著になっているように思う。
自分よりも相手の方が大変なのだということが先にあるので、自分の言いたい事をぐっと堪えることが多い。
同じように、家庭以外でも、相手や状況を優先させる、対立を避ける、というコミュニケーションを取る場合がよくあるように思え、「自分の言いたい事や思いを大切にできているかな…」と思ってしまう。
昔、アサーティブコミュニケーションを学ぶ事を勧められたことがあったが、改めていま自分にそれが大切であるように思えている。
そこでその道で有名らしい平木典子さんのこの新書を手に取った。
本書の構成は以下のようになっており、がまんしがちな自分の行動はないか、なぜがまんに繋がるのか、というところを点検していき、アサーションがなぜ大事であるか、そして実践のポイント、目指す境地、といったところが書かれている。
新書なのでさっと読めてしまう手頃さが良い。
第1章:言いたいことをがまんしていませんか?
第2章:なぜ、言いたいことが言えないのか
第3章:アサーションで「思い」に気づき、自然体に生きる
第4章:《実践》アサーティブに「思い」を伝える
第5章:「思い」を大切にするとは、自分に正直に生きること
一つピックアップするとしたら、自分の感情表現をきちんと言葉にしてできているか、という著者の問いかけだ。
雑な言葉でまとめてしまっていないか、スタンプを返すことで省略してしまっていないか、など、ハッとさせられる指摘があった。
そして著者はこう述べる。
(P.80)