注目キーワード
  1. 写真
  2. コーチング

アンコール遺跡

カンボジア には多くの遺跡群が残るが、総称してアンコール遺跡と呼ばれる。その紹介は以下の引用にある通り、巨大な大遺跡群なのだ。

アンコール遺跡群は9世紀から15世紀に栄えたアンコール朝によって造営された石造の都城跡・寺院・祠堂・棟梁・貯水池などを指す。アンコール朝はトンレサープ湖西北岸一帯に約600年にわたり栄え、最盛期の12世紀から13世紀初めにはインドシナ半島の中心部をほぼ支配する大王朝であった。アンコール・ワットやアンコール・トム等の主要な遺跡だけでも26以上に及び、アンコール平野の東西22kmと南北35kmの一帯に集中し、世界では例をみないほどの大遺跡群といえる。
彼らは土着の精霊信仰を融合したヒンドゥー教徒と仏教を信仰し、世界的に評価の高い彫像や大壁面の浮き彫りなどは圧巻である。優れた建築技術によりアンコール・ワットの中央祠堂(65m)を造った。1992年、文化遺産としてユネスコの世界遺産リストへ登録された。熱帯林に囲まれたアンコール遺跡の保存と修復は1908年からフランス極東学院を中心に行われた。1970年からの度重なる内戦と混乱により保存修復活動が中断され、世界遺産登録時に危機遺産登録措置も同時になされた。内戦が終結した現在ではフランス、日本を含め外国の調査団がカンボジア政府と協力し、現地調査・研究と修復保存作業を行なうとともに、現地の遺跡修復専門家の養成を進めている。

Asia-Pacific Cultural Centre for UNESCO(ACCU) より

 

朝日を待つ観光客達
精巧に掘られた柱

 

待ちに待ったアンコールワットのお目見えだ!
ワクワクしながら朝日が登り周囲が明るくなりその姿が明らかになってきたとき、一つの事実に気づく。
工事中やないかい!

朝日をバックにしたアンコールワット

午前中は逆光になるよ、というガイドの教えによりアンコールワットは午後の観光となり、午前中はアンコールトムを観光する。
神様とアスラが大蛇を綱として綱引きをしながら海中をかき回し、それが1000年続いたことで海が乳海となり、その海からは不老不死の薬である「アムリタ」が生まれたとされる「乳海攪拌」が、入り口左右の橋に描かれている。

アンコールトムへの入り口

ところで乳海攪拌って何だ?というところをもう少し。

乳海攪拌(にゅうかいかくはん)とは、ヒンドゥー教における天地創造神話にあたる。
太古、不老不死の霊薬アムリタをめぐり、神々とアスラ(悪鬼)が壮絶な戦いを繰り広げていたが、両者は疲労困憊し、ヴィシュヌ神(世界の維持神)に助けを求めた。それを受けて、ヴィシュヌ神はこう言った。

「争いをやめ、互いに協力して大海をかき回すがよい。さすればアムリタが得られるであろう」

それを聞いた神々とアスラたちは、天空にそびえるマンダラ山を軸棒とし、亀の王クールマの背中で軸棒を支え、それに大蛇を巻きつけて撹拌のための綱とした。
神々がその尻尾を、アスラたちがその頭をつかんで上下に揺さぶり始めると、すさまじい炎とともに漆黒の煙が大蛇の口から立ち上り、そこから雷雲が生じて大雨を降らせ始めた。だが、肝心のアムリタは出てこなかった。神々とアスラはさらに大海を撹拌し続けると、大海はやがて乳海となった。
しばらくして良質のバターであるギーが湧き出て、そこからヴィシュヌ神の妃ラクシュミー、ソーマ(神酒)、太陽、月、宝石、家畜、白馬などが次々と現れ、ついにアムリタの入った白い壷を手にした医の神ダンワタリが姿を現した。
ここから、アムリタをめぐる争奪戦が始まった…といって神話は続く。

PEACE IN TOURより一部引用

アンコールトムの中央に位置するバイヨン。

ここでアンコールトムについて。

アンコール・トムは「大きな都」という意味がある。
ヒンドゥー教の宇宙観を基に成り立った都市建築がみられ、宇宙の中心である山岳メール山を象徴する中心寺院、バイヨンが上の写真だ。
その周囲に複数の寺院や兵のための史跡が残り、 周囲を3km四方の塀と8mもの高さの城壁で囲み、王も庶民も住まう堅固な城塞都市であった。
周囲にも象のテラスやライ王のテラス、プレア・ピトゥなどの遺跡も残っている。
アンコール・トムは約3キロメートル四方の京城であり、幅100メートルの堀と、ラテライトで作られた8メートルの高さの城壁で囲まれている。
外部とは南大門、北大門、西大門、死者の門、勝利の門の5つの城門でつながっている。各城門は塔になっていて、東西南北の四面に観世音菩薩の彫刻が施されている。

規模としてアンコール・ワットの3倍の大きさを誇り、10万人もの人々が生活していたと言われる古の王都。
建設したのは王都をアンコール・トムに定めたジャヤヴァルマン7世。

wikipedia,TNKトラベル より一部引用

なお、メール山は、古代インドにおいて神々の住む聖域で、再び神が降臨する場所とされている山だそうだ。それを象徴化したバイヨンを中心に置いたアンコールトムは、古代インドの宇宙観を表した遺跡群とも言えるのだ。

壁に描かれるレリーフはそれぞれの物語を持っている
観世菩薩像を模した四面の人面像が微笑んでいる。
バイヨン寺院の中から
修行僧も観光している
もう一度外観をみても、やはり荘厳さを感じるバイヨン寺院
ライ王のテラス
ライ王
テラスの壁には非常に数多く緻密の神々と阿修羅の彫刻が連なっている。
なぜライ王のテラスと呼ばれるようになったかは諸説あるようで、有力なのは歴代クメール王の中にライ病を患っていた人がいたからという説。それがジャヤヴァルマン7世その人だ、という伝説がある。彼自身がライ病(ハンセン病)を病み、若くして死んだという。アンコール=ワットを訪れた三島由紀夫は、この「若き癩王の美しい彫像」をみて着想を得、戯曲『癩王のテラス』を発表した。しかし、ジャヤヴァルマン7世がハンセン氏であったという確証はないらしい。
「タ・プローム碑文によれば、王は国内に102の施療院(アーロギャーシャーラ、「病人の家」の意味)を建て、王みずから病人の世話に関わり、年に三回薬や薬草を供与していたのだとか。
ジャヤヴァルマン7世のことを紹介すると、彼は篤く仏教を信仰し、都城のアンコール=トムを仏教都市として完成させ、多くの仏教寺院を建造したらしい。一方でヒンドゥー教に対しては冷淡で、ヒンドゥー寺院であったアンコール=ワットも仏教寺院として使われるようになったんだとか。ジャヤヴァルマン7世は、国内に道路網を整備し、その道沿いに102の病院(施療院)をはじめ、多くの石造寺院を建造し、その版図はインドシナ半島全体に及んだ、というのだから凄い勢いである。そうした勢いを持っていたからこそ、王の死後、アンコール朝の衰退が始まったのだとか。 (世界史の窓より)wikipediaによれば以下のように記載されている。なお、この像はレプリカであり本物は博物館に保管されているとのこと。

片足を立てた坐像はヒンドゥーの死の神であるヤマ(閻魔)を表現している。
その塑像(そぞう)が「ライ王」と称されたのは、変色および苔が増すにつれて、ハンセン病にかかった人を連想させ、また同様に、ハンセン病を患ったアンコールの王ヤショーヴァルマン1世のあるカンボジア伝説に当てはまったことによる。しかしながら、カンボジア人に知られている名前はダルマラーヤ (Dharmaraja) であり、これは元来あった彫像の基部に刻まれていた。

地元の人の移動
タ・プローム。恐ろしいほど巨大に成長したスポアン(カジュマル)と遺跡が一体となったような風景。
映画トゥームレイダーにも出てきたようだが、そちらは見たことがない。
そして東側からアンコールワットへ入る。地元の子供達が自転車で遊びながら通り過ぎていく。
第三回廊を登り、アンコール・ワット内部をふらふら。
どこの壁にも精巧なレリーフが彫られている。
それぞれが神話を物語っている

そしてカンボジアに来た最大の目的である、アンコールワットの外観がこちらである。
カンボジアの国旗にもなっているその姿は、とても美しい。

夕日に映えるアンコール・ワット。一部改修中ではあるものの、池に写る像が美しい。

アンコール・ワットはクメール王国における宗教施設の集大成といえる大寺院。12世紀前半にスールヤヴァルマン2世により創建されたヒンズー教寺院で、ヒンズー教三大神の中のヴィシュヌ神に捧げられた。アンコール・ワットとは「大きな寺」という意味で、環濠を含む大きさは東西約 1,500m、南北約 1,300mもある。三重の回廊の上に5つの祠堂が建てられており、神々が住むといわれるインド神話の霊峰メール山をイメージして造られたといわれている。

コトバンクより

さて一通りアンコールワットを堪能すると、夕日が綺麗に見える場所があるということで、ブノン・パケンというところにやってきた。
ふもとでは地元の子達が売り込みをしてくる。中には日本語を知っている子もいおり、断ると口を揃えて“なんでやねん!”と言ってくる。
関西の観光客が多いのだろうか。しかしかわいらしい。

山道を登った先にあるブノン・パケン。
周辺を一望でき、夕日がキレイにみえるスポットで、観光客が溢れかえっている。

黄昏る夕日を眺めながら、クメール王朝の歴史に想いを馳せる。

ガイドのリッティ。酔うとオネエのような仕草を見せる。
夜は伝統舞踊アプサラ・ダンスを楽しみながらのディナー。

 

カンボジア のアンコール遺跡群は非常に歴史ロマンに溢れているし、それだけでなく彫刻技術が驚くほど高い。そしてそれらは宗教による信仰の力が下支えしているのだろうと推測され、そのヒンドゥー教の神話や宇宙観というのはとても興味深い。そして歴史の流れとして、ヒンドゥー教に仏教が入ってきて独自の世界観を織り成すところがまた重層な歴史を醸し出している。

アンコールワット遺跡群に登場する神々 という紹介ページがまとまっているので、興味があればこちらも見ていただければ良いのだろう。

歴史が好きな人には是非おすすめしたい国だ。

自分の思考に向き合おう

日々忙しく過ごしていると、なかなか自分のことや今後のことを考える時間が持てない。そんなことありませんか?
あるいは、一人で悩んでいて、なかなか人には相談できない。
もし、そんな状況にあるのなら、ちょっとだけ立ち止まって考える時間を作ってみませんか。
なかなか人に言えない悩みがあるなら、まずは言葉にしてみませんか。
そのお手伝をします。対話の中から発見や納得が生まれることもあるんです。
立ち止まって、自分の思考に向き合ってみると、何かが見えてくるかもしれません。

一緒にその時間を作って見ませんか?